手術への効率化を目指し
“超音波手術システムSonosurg” 装置を駆使した手術法
がんは周囲の血管を利用して新生血管を作製し栄養補給をしながら次第に大きく成長していきます。
動物のがんのほとんどは、発見が遅れるためヒトに比較してもかなり巨大な大きさに成長して来院することが多いです。
当院ではこのような巨大ながんを出血が少なく短時間で摘出可能にするためオリンパス社の超音波凝固切開装置(Sonosurg)を用いて手術を行っています。
“超音波手術システムSonosurg” 装置は、血管を結紮することなく凝固、切開することが可能であります。
また、超音波吸引装置は肝臓などの柔らかい細胞のみを超音波で破砕して吸引しながら残された血管や神経などを凝固切開することが可能です。
以前勤務していた東京農工大学付属動物大学医療センターでは、極めて難しい腫瘍の摘出(口腔内腫瘍、甲状腺がん、肝臓がん、副腎腫瘍など)にSonosurg 装置を用いてきました。
当センターでは、今までの経験を活かしながら手術に用いてきた“超音波手術システムSonosurg” をさらに駆使して、今後も難しい腫瘍の摘出に挑戦していきたいと思っています。
“超音波手術システムSonosurg” 装置を駆使した手術法の利点
- 超音波メスで血管を凝固しながら組織を離断する。
- 出血がほとんどなく生体への侵襲が少ない
- 止血用の糸を使用しないので異物反応が起きない
- 手術時間が短いので麻酔リスクなどが軽減される