肝機能検査薬であるインドシアニングリーン(ICG)は、800nm付近の波長の光を吸収して発熱作用と活性酸素を発生させることが明らかとなっています。
光線温熱療法とは、腫瘍内にICG を局注し、外部より近赤外線光を照射することにより、光線力学療法と温熱療法の両者の相乗効果を期待したがん局所療法です。
光線力学的作用としては活性酸素によるがん細胞のアポトーシス(自然死)、虚血性壊死、免疫細胞の活性化作用などが期待されます。
また温熱作用は、45℃まで耐えうる正常細胞と比べ、43℃前後で死滅するがん細胞の特性を利用したもので、がん細胞のアポトーシスを誘導します。
特に外科的切除の適応とならない体表の腫瘍で効果を発揮します。